咽頭結膜熱はその名の通り、咽頭炎、眼の症状、発熱などを起こす小児の急性ウイルス感染症です。6月頃から増え始め、7~8月をピークに多く発生します。近年は晩秋にも流行することがあります。12歳以下の小児が多いのですが、時に高齢者の介護施設や病院などで報告されることもあり要注意です。

 

 主に5~7日間(2~14日間の場合も)の潜伏期を経て発熱し、発症します。39度を超えるような高熱が4~5日続きます。扁桃(へんとう)腺が腫れ、喉の痛みを伴い、頭痛や食欲不振、だるさも出現。目が真っ赤に充血し目やにが出ます。また涙が流れ、まぶしがるなどの症状があり、首のリンパ節が腫れます。症状が治まるまでには約1週間かかります。目の症状や吐き気、頭痛、咳(せき)などが強い場合は、できるだけ速やかに医療機関を受診します。咽頭結膜熱の治療は症状に対しての対症療法が中心で、解熱剤を使うことや、結膜炎があれば二次感染予防に抗生剤の点眼を行います。

 病原体はアデノウイルスで、感染者の鼻水、目やに、便の中にいます。それらが、鼻、喉、眼に入ることで感染します。患者さんからの飛沫(ひまつ)による飛沫感染、手を介した接触感染、さらに塩素消毒が不十分なプールでの感染があります。過去の流行の多くはプールの水を介し「プール熱」とも呼ばれましたが、規定の塩素濃度を守って水が消毒されていればプールの水での感染はありません。

 一方、アデノウイルスは感染力が強いので、プールでのタオルの共用から感染したこともあります。タオルの共用は避けましょう。またドアノブや手すり、エレベーターのボタンなどにウイルスが付着し、これが手を介し口に入って感染することもあります。便の中にウイルスが長期間排出されますので、手洗いを励行し、ハンカチ・タオルの貸し借りはしないこと。プールの前後はよくシャワーを浴びてください。

 食事は喉ごしが良く冷たくて甘いものなどで、十分に水分をとりましょう。学校保健安全法に定める主な症状がなくなってから2日を過ぎるまで、学校はお休みとなります。

岡田晴恵教授
岡田晴恵教授

 

おかだ・はるえ  医学博士。専門は感染免疫学、公衆衛生学。テレビやラジオへの出演や執筆活動を通じて、感染症対策の情報を発信している。