第79回カンヌ国際映画祭でインタビューに応じた松たか子(左)と石橋静河=5月、フランス・カンヌ(共同)

 第79回カンヌ国際映画祭で記者会見する(左から)松たか子、深田晃司監督、石橋静河=5月、フランス・カンヌ(共同)

映画「ナギダイアリー」の一場面☆(○の中に小文字のC)2026 ナギダイアリー・パートナーズ(スターサンズ/八朔ラボ/ワンダーストラック)/Survivance/Momo Film Co.

 第79回カンヌ国際映画祭でインタビューに応じた松たか子(左)と石橋静河=5月、フランス・カンヌ(共同)  第79回カンヌ国際映画祭で記者会見する(左から)松たか子、深田晃司監督、石橋静河=5月、フランス・カンヌ(共同) 映画「ナギダイアリー」の一場面☆(○の中に小文字のC)2026 ナギダイアリー・パートナーズ(スターサンズ/八朔ラボ/ワンダーストラック)/Survivance/Momo Film Co.

 5月にフランスで開かれた第79回カンヌ国際映画祭で、コンペティション部門に出品された深田晃司監督の最新作『ナギダイアリー』(9月25日公開)。主演の松たか子と、共演した石橋静河が、カンヌの地でインタビューに応じた。

 本作は岡山県奈義町をモデルにした自然豊かな町「ナギ」が舞台。松と石橋は撮影で約1カ月にわたり奈義町に滞在した。松は「まさか、奈義からカンヌに通じているとは。不思議な気分ですが、とってもいい体験になりました」と笑った。

 石橋は「松さんは私の憧れ。共演できて幸せでした」としみじみ。2人の出会いは、2016年上演の野田秀樹の舞台『逆鱗』。松は主演、石橋はアンサンブルの一員という関係だった。「初めての舞台で、稽古から『うわーっ』て圧倒された」と石橋。「割と、端っこで静かにニコニコしてたよね。きっと不安なんだなあって思った」と松が冗談めかすと、石橋は「あの頃は緊張して何だかモゴモゴ言ってましたよね、すみません」と頬を赤らめた。

 そんな出会いのおかげで「自分のダメな部分を知られ過ぎていて、取り繕う意味もなかった」(石橋)、「無理に距離を縮める必要がなく、奈義町にいることだけに集中できた」(松)。温かく自然な2人の距離感が『ナギダイアリー』には映し出されている。

 東京と台湾で働く建築家・友梨(石橋)が、別れた夫の姉で彫刻家の寄子(松)が暮らすナギに滞在する物語。静かな会話劇の中に、同性愛者である寄子が心に抱える喪失や、地方と都市の価値観の違い、さらに日常に忍び寄る戦争の影を描き出す。深田監督は、所属する劇団「青年団」の主宰平田オリザさんの代表作『東京ノート』から着想を得て脚本を書いた。

 寄子は、友梨をモデルに木の彫刻を制作していく。松は彫刻家の吉田愛美から彫刻の所作を学び、劇中で木を彫る手つきや、チェーンソーを使う工程も披露している。

 一方、石橋は「友梨は受け身な役で、モデルになるシーンでは動きも制限される。難しかった」。役作りには、ナギに住む人々が友梨と出会った時の反応からヒントを得たという。

 2人ともカンヌ映画祭には初めて参加した。松は「太陽と海と風を感じながら、互いに映画を祝い合う。健全で、すてきな伝統だと感じました」と感動を語った。