県選挙管理委員会が投票率向上推進プランを策定し、低迷する本県の投票率底上げに乗り出した。全世代の有権者を対象にしたプランは初めて。市町選管と連携し投票環境の充実や主権者教育の推進など投票行動を促す施策も求められるが、まずは何より有権者自身の意識改革が必須だろう。

 選挙権は憲法が国民に保障する大切な権利だ。その権利の行使が、本県は低調だ。国政選挙で見ると、投票率は今年の衆院選が53・00%で都道府県別で43番目、2025年の参院選は53・56%で46番目。いずれも老若問わず全世代で全国平均を下回った。

 有権者一人一人が民主主義の当事者だという意識が希薄になっていないだろうか。国民の権利について、憲法は「国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない」とする。全ての有権者が改めて肝に銘じるべきだ。

 その上で、県や市町の選管にも普及啓発などの取り組み強化を求めたい。

 プランは取り組みの柱の一つに主権者教育推進を掲げる。各選管は学校などと協力して、将来有権者となる中高生らを対象とした講座などをさらに増やしてほしい。県選管によると、投票率は45~59歳と60歳以上で全国平均との乖離(かいり)が大きいという。主権者教育を職場の研修や公民館の講座などでも積極的に展開してはどうか。

 また県や一部の市町は近年、親子連れ投票を促している。幼少時に保護者の投票に同行した経験は有権者になった際の投票行動につながる。家庭で選挙について話すきっかけにもなる。未実施の市町を含め、取り組みを拡充すべきだ。

 投票環境整備も工夫の余地はある。今年4月に行われた那珂川町議選、那須烏山市議選の投票率はそれぞれ前回比6・74ポイント、3・81ポイント上がった。商業施設での期日前投票所開設や車両を使った移動期日前投票所などの取り組みも一因とみられる。人口減に伴う投票所減少を補うためにも、移動期日前投票所や投票所までの移動支援は全県で推進してもらいたい。

 プランは30年度までの5年間で国政選挙の投票率を全国平均並みに引き上げることを目指す。選挙のたびに有権者全員が「不断の努力」を意識したい。投票率向上で本県の民主主義の力を示そう。