2025年度の県産農産物輸出額は初めて10億円を超え、13億5千万円に達した。10億円の目標を大きく上回り、30年度の目標である15億円まで1億5千万円まで迫った。

 15年度に初めて1億円を突破して10年。生産者、農業団体、輸出事業者、行政など関係者が積み上げてきた成果と言える。

 さらなる拡大を目指すには、輸出先の需要拡大や新たな輸出先の開拓、産地の形成と育成を絶えず行わないといけない。農業は成長産業で魅力的であることを示し、参入者を増やす努力も必要だ。

 25年の輸出額を引っ張ったのは牛肉とイチゴだった。牛肉は約8億6千万円で全体の6割強を占め、10年前の10倍となった。イチゴは約2億8千万円で、前年度の4倍以上の大幅な伸びとなった。

 牛肉の主要輸出先である米国や欧州連合(EU)は、ストレスの少ない環境で家畜を飼育する「アニマルウェルフェア」(動物福祉)への関心が高い。そうしたこと踏まえ、食肉処理場での牛の待機時間短縮などに対応した産地の取り組みが奏功し、販売額が伸びた。

 相手先の状況に合わせた柔軟な対応は不可欠だ。今後も必要に応じ産地が一体となった取り組みが求められる。

 イチゴは、品種が「とちおとめ」から「とちあいか」に切り替わったことが伸びた要因の一つ。新品種開発と品種切り替えという戦略が奏功したと言えるだろう。さらに、11年の福島第1原発事故後から続いた台湾の輸入規制が全面撤廃されたことも需要増につながった。今後は単位面積当たりの収量を上げることで輸出増につなげたい。

 戦略的な輸出拡大に取り組むため、県は昨年、県産農産物輸出促進方針を策定し本年度から取り組んでいる。輸出促進品目とターゲット国・地域を選定し、輸出拡大を図る考えだ。各農業振興事務所に輸出に関する相談窓口を設けたほか、近く関係者による「農産物輸出促進ネットワーク」を立ち上げる。輸出ノウハウの共有や新規参入者を増やすことなどにより輸出増という目的を果たしてほしい。

 群馬県の25年の農畜産物等輸出額は19億円超に上る。単純比較はできないが、本県もまだまだ伸ばせる余地はある。30年度に15億円という目標を上方修正し、さらに上を目指したい。