自身の経験から被害者や遺族への理解を訴える小佐々さん=30日午前、真岡市役所

 犯罪被害者や遺族の思いを伝える「犯罪被害者等支援巡回パネル展」に合わせ、県と被害者支援センターとちぎ、真岡市は30日、真岡市役所で、犯罪被害者遺族の講演会を開いた。2001年の鹿沼市職員殺害事件で夫守(まもる)さん=当時(57)=を亡くした小佐々洌子(こささきよこ)さんが「事件から続く家族の苦しみ」と題し、被害者や遺族への理解を訴えた。

 鹿沼市環境対策部参事だった守さんは01年10月、産業廃棄物処理業者の不当要求に応じずに逆恨みされ、暴力団関係者に拉致、殺害された。遺体はいまだ見つかっていない。事件は10月に発生から25年を迎える。

 小佐々さんは講演で、突然夫を失った悲しみの中、周囲に数々の心ない言葉を受けてきたことを明かした。「いつまで泣いているのか」「あの事件の小佐々さんですか」。これまで自身や家族が苦しんだ言葉を紹介した。

 「1度犯罪被害者になると、なかなか元の生活には戻れない」と話し、周囲の何げない一言が風評被害を生み、被害者の回復が遅れる原因になると強調。約50人の聴衆に対し、事件の教訓を忘れぬよう求めた上で「私たち一人一人が加害者にならなければ被害者は出ない」と呼びかけた。

 パネル展は6月23日に日光市で始まり、来年2月まで12市町を巡回する。真岡市役所は7月3日まで。