県が、2021年度に策定した「県食品ロス削減推進計画」の一部改定に着手した。国が事業系食品ロスの目標値を見直し、新たな施策を盛り込んだことに対応する。

 18年度の食品ロス量に対し、30年度までに20%減とする計画の当初目標は既に達成した。改定では新たな目標が設定されるが、現実的かつ野心的な数値を掲げてほしい。

 これまでの取り組みで食品ロスに対する県民の意識は高まりつつある。さらに機運を高めるため、食品ロスの実態や削減の意義、これまでの成果や課題などを広く訴え、取り組みを加速させたい。

 県資源循環推進課によると、18年度の食品ロス量は全国で約600万トン。本県は推計で事業系5万3千トン、家庭系4万8千トンで総量は10万1千トン。これに対し最新の23年度は計7万7千トン(事業系4万トン、家庭系3万7千トン)に減少し、18年度比で24%減となった。

 事業系の比率が若干高いことから、県は4年にわたり事業系食品ロス削減に向けた実証事業を4業種で実施した。宿泊業では食事の量が少ない「少量プラン」などを導入。小売業では在庫管理の自動化や、消費・賞味期限の近い商品を購入する「てまえどり」啓発などで一定の成果を得た。一方、機器やシステム導入の際の費用対効果の見極めなど課題も浮かんだ。

 来場者などからは好意的な声が多く、食品ロス削減の取り組みは企業イメージの向上につながる。単なる環境活動として捉えず、企業価値の向上や事業基盤の底上げを図るアプローチと考え、経営戦略に組み込むべきだ。

 24年の県政世論調査では、9割弱が食品ロス問題を知っていると答えた。実際の取り組みでは、飲食店で注文し過ぎなほか、「てまえどり」を実行する人も少ない傾向にあった。家庭系を削減する余地も十分あり、一人一人が意識し心掛けたい。

 計画には、市町による食品ロス発生実態の把握という目標もある。家庭ごみに食品ごみがどの程度含まれ、本来食べられるのに廃棄された食品ごみはどれくらいあるかなどを調べる。24年度で10市町が実施している。

 実態を把握すれば、市町の実情に沿った普及啓発が可能になる。各市町が実施することで、意識醸成につながり取り組みが広がるはずだ。