クマが市街地に出没した際、自治体判断で駆除できる「緊急銃猟」の実施を想定し、宇都宮市は10日、市役所と今里町の松田新田浄水場で緊急銃猟実地訓練を初めて行った。市内では6月上旬、前例のない中心市街地でのクマ出没があったばかり。当時の対応で浮き彫りになった課題も踏まえ、緊急銃猟の手順を確認した。

浄水場敷地内にクマが迷い込んだ想定で行われた緊急銃猟訓練=10日午前10時35分、宇都宮市今里町
浄水場敷地内にクマが迷い込んだ想定で行われた緊急銃猟訓練=10日午前10時35分、宇都宮市今里町

 訓練は市のほか、県、宇都宮東署、県猟友会宇河支部などから約50人が参加。市役所の本庁班と、同浄水場の現場班に分かれ、同浄水場内でクマが目撃されたと想定して行われた。

 同署にクマ目撃の通報が入る場面から始め、市が同支部や市消防局などに出動を要請。6月はクマの探索に苦労したことから、熱感知カメラを搭載した同局のドローンを使い、クマの居場所を特定した。

クマ探索のためドローンを飛ばす宇都宮市消防局職員=10日午前10時10分、宇都宮市今里町
クマ探索のためドローンを飛ばす宇都宮市消防局職員=10日午前10時10分、宇都宮市今里町

 緊急性の高さや、人へ跳弾する恐れがないかなど、緊急銃猟の実施に必要な条件をチェックリストで確認。本庁班の佐藤栄一(さとうえいいち)市長が許可を出し、発砲からクマを捕獲するまでの動きを確かめ、共有した。

 佐藤市長は「市街地でのクマ捕獲の経験を生かし、関係機関と連携して慎重かつ冷静に対応できた。課題を検証し、関係者の意見を踏まえながら対策をさらに強化していきたい」と話した。

クマ探索と並行し住民避難などの手順を確認する市職員ら
クマ探索と並行し住民避難などの手順を確認する市職員ら
銃猟実施後、クマの状態を確認する関係者
銃猟実施後、クマの状態を確認する関係者