新聞の紙面は、見出(みだ)し、リード、本文で構成(こうせい)されています。リードは後に続く本文の内容を大まかにまとめたものですが、見出しはリードをさらに要約(ようやく)したもので、単なるタイトルではありません。

 数本ある見出し(主見出し、そで見出し、かぶせ)を追うだけで記事の内容がだいたい把握(はあく)できるのです。そのため見出しを考える学習は、文章を要約する力を育てるのに大変効果的(こうかてき)と言われています。中でもいちばん大きな主見出しには、「誰(だれ)が何をした(する)」「何がどうなった(どうなる)」など、最も大切な要素(ようそ)が含まれています。読者にいかにアピールできるか語彙(ごい)にも気を遣(つか)います。整理記者(せいりきしゃ)がいちばん頭を悩(なや)ませる仕事です。

 学習の方法は、新聞記事の主見出しを切り抜いたり、紙で覆(おお)ったりして隠(かく)し、児童や生徒たちに考えさせるという簡単なものです。ただ最初に見出しの特徴(とくちょう)を教えることが必要です。大方の主見出しは8文字から10文字。「~が」や「~する」など、助詞や動詞が省略(しょうりゃく)されているのも特徴です。

 2月に起きたエジプトの政権崩壊(せいけんほうかい)の際、新聞には「ムバラク大統領辞任(じにん)」という活字が躍(おど)りました。「ムバラク大統領が辞任した」はあり得ません。