平野早矢香さん

16歳で初の世界選手権に挑んだ平野さん(右)。混合ダブルスに出場した=2001年4月30日、大阪市

平野早矢香さん 16歳で初の世界選手権に挑んだ平野さん(右)。混合ダブルスに出場した=2001年4月30日、大阪市

 インターハイ中止が決定した後、私の写真共有アプリ「インスタグラム」のダイレクトメッセージにも「何をしたらいいのか…」という声が届いています。高校生の立場になれば、どこに気持ちを向けたらいいか分からず、もどかしいですよね。ただ、安全を考えると開催中止は仕方のない判断だったと思います。

 インターハイは高校生にとって、この年代でしか経験できない大きな大会です。私は仙台育英秀光中(宮城)に入学した時から「高校3年で3冠(団体、シングルス、ダブルス)を取る」という気持ちで練習しました。高校3年の時には団体、ダブルスで優勝しましたが、シングルスは決勝で敗れました。インターハイはチームメートと一緒に日本一を懸けて戦う場です。私自身も一つの目標に向かう中で協調性が身に付き、自分の基礎がつくられた気がします。

 皆さんはインターハイに出られませんでしたが、インターハイを目指す中で得るものも大きかったはずです。「切り替えよう」「次の目標に向かおう」なんて言葉は言えませんが、つらいときや我慢が必要なときこそ力が試され、成長できると思います。私は女子シングルスで初優勝した全日本選手権の試合中、「ここで逃げたら一生逃げ続けることになる」と自分に言い聞かせました。

 決まってしまったことに対して泣き叫んでも何も変わりません。でも、こういう状況だからこそ日頃見えなかったものも見えてきます。簡単なことではありませんが、今後につながることに目を向け、今できることを楽しむ気持ちを持ってほしいと思います。

 ◆プロフィル 1985年生まれ。鹿沼市出身。仙台育英高(宮城)-ミキハウス。全日本選手権女子シングルス5度優勝。2012年ロンドン五輪女子団体銀メダル。現在は解説者。