女子クレー・スキート予選後半 出場した石原奈央子=自衛隊朝霞訓練場

 放つ散弾に、5年間の全てを込めた。会場の空気がリオデジャネイロ五輪を思い出させる。他の国際大会にはない、選手たちの意気込み、気迫、集中力-。2大会連続の射台に立ち、「やっぱり五輪はすごい」と心から思った。

 クレー射撃女子スキートの石原奈央子(いしはらなおこ)(古峯神社)は125点満点中114点の21位。世界との差を痛感した前回同様、予選通過はならなかったが、こみ上げる感情は全く違う。「こんな成績だったけど、だいぶ射撃がうまくなった。少しだけみんなに近付けた。全然足りないけど」と笑った。

 約2年ぶりの国際大会で、第1ラウンドは25点満点中、24点の好スタートだった。しかし3面ある射場のうち、事前練習で「苦手」と感じた射場での第2ラウンドで調子が狂った。「見えない」という感覚のまま飛び出すクレーに命中しない。襲う不安を「払拭(ふっしょく)できなかった」。21点で「よく耐えた方」。順位を大きく落とし、それが最後まで響いた。

 最終第5ラウンドを終えると審判に軽く一礼。満点を取った中国選手をグータッチでたたえる。オリンピアンの精神を貫き、1人になって天を仰いだ。

 目標としていた東京五輪を終え、すっきりした表情を見せる。「射撃は続けるが、今まで休んでいた本業の方もやらないと」と、実家の古峯神社で務める神職に再び従事するつもりだ。

 決勝は遠かった。しかし「情けなくはない。頑張った」と胸を張る。リオ五輪でこの種目の女子選手として初めて五輪の舞台に立った第一人者。日本選手団の女子最年長46歳は「私を見て、自分も頑張れると思ってもらえたらうれしい」。柔らかな表情に充実感と誇りを感じた。