10日から始まる「いちご一会とちぎ国体」会期前競技の弓道。本県成年男子チームに異色の経歴をたどる選手がいる。県連盟の五十嵐翔(いがらししょう)さん(31)=鹿沼市深津=だ。職業は研師(とぎし)。弓と徹底的に向き合うため、紆余(うよ)曲折を経て自営となり4年。美容師らのハサミを研いで生計を立てながら、初の国体出場権を射止めた。
7日午前9時。宇都宮市内の美容室の駐車場に五十嵐さんの姿があった。「工房」は自家用車内。後部座席を倒した狭いスペースに体をねじ込み、手際よくハサミ5丁を研ぎ上げた。「本当は大きな車に変えたいけど、先に弓の道具を買ってしまうので」と苦笑い。生活の中心には常に弓道がある。
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