福島第1原発事故で発生した放射性物質を含む指定廃棄物の問題を巡り、第2次岸田改造内閣で就任した環境省の小林茂樹(こばやししげき)副大臣と柳本顕(やなぎもとあきら)政務官が9日、県庁を訪れ、福田富一(ふくだとみかず)知事と面会した。
同省が塩谷町の国有林を長期管理施設の詳細調査候補地に選定してから8年がたっても進展がない現状に、小林氏は「1カ所に集約する考えではあるが大変難しい課題がある」と説明。その上で「地元の評価が一番重要。国の責任として必要に応じて支援していく」と述べた。
福田知事は暫定集約の加速化を求めつつ「最終的には安全な長期保管施設が必要。塩谷町との対話の糸口を見いだしてほしい」と伝えた。一方、与党議員も地元の声を受け止めざるを得ず反対に舵(かじ)を切る姿勢が目立つとして「(状況は)より複雑になっている」と指摘した。
面会後、小林氏は記者団の取材に応じ「塩谷町と話し合いをすることが大切」と強調。暫定集約先が決まっていない3市町に対しては「早期に進むことを願っているが、地元の事情があると思う」と話した。