【宇都宮・日光】細いベルト状のラインの上で、回転やひねりなどの技を競うスポーツ「スラックライン」の世界最大の大会「トリックラインワールドカップ2022 in シュツットガルト」で、本県の中学生が男女とも優勝という快挙を成し遂げた。特に女子は、世界大会初出場の2選手が頂上決戦で対決。本県からは4選手が出場し、もう1人も男子で8強と、全員が国際舞台で大活躍を見せた。
世界一に輝いたのは、男子が宇都宮市中戸祭町、中村陸人(なかむらりくと)選手(14)=星が丘中2年、女子が同市駒生町、岡澤恋(おかざわこい)選手(14)=作新学院中等部2年。女子準優勝は日光市土沢、竹部茉桜(たけべまお)選手(17)=作新学院高2年。男子で8強入りしたのは中村選手の弟の拓志(たくし)選手(11)=戸祭小6年。
同大会は、世界的な新型コロナ感染拡大の影響を受けて中止となっていたが、3年ぶりに6月25、26日、ドイツのシュツットガルトで開催された。男女とも年齢区分はなく、ジュニアから一般までが同一条件で競う。予選は1分半の演技を2度実施。高い方の得点が持ち点となる。男子は上位8選手、女子は上位4選手が予選を通過。その後、1対1の対決をトーナメント方式で行い優勝を競った。
陸人選手は決勝で、それまで封印していた大技を次々に成功させて頂点に立ち「緊張したけど楽しめた。力を出し切った」。岡澤選手は「順位よりも見ているたくさんの人を笑顔にしたいと思って演技した」と、無欲の優勝を強調した。
拓志選手は目標に掲げていたベスト8入りを達成し「うれしい」と笑顔を見せ、兄の快挙に「次は自分が優勝したい」。竹部選手は「悔しい。次は勝つ」と表情を引き締めた。
さくら市馬場の中村兄弟の祖父母宅の練習場でそろってトレーニングすることも多い4選手の次の目標は、10月16日に都内で開かれる日本オープン。同大会は男女、年齢別で行われるため、陸人選手、拓志選手は口そろえて「兄弟で優勝」と誓い、岡澤選手、竹部選手は「また2人で決勝を戦いたい」と抱負を語った。