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馬術成年女子二段階障害飛越 ライフ・イズ・ビューティフル号を操り、優勝した広田思乃=那須塩原市の地方競馬教養センター

馬術成年男子トップスコア ニック・オブ・タイム号を操り、優勝した広田龍馬=那須塩原市の地方競馬教養センター

馬術成年女子二段階障害飛越 ライフ・イズ・ビューティフル号を操り、優勝した広田思乃=那須塩原市の地方競馬教養センター 馬術成年男子トップスコア ニック・オブ・タイム号を操り、優勝した広田龍馬=那須塩原市の地方競馬教養センター

 第77回国民体育大会「いちご一会とちぎ国体」第6日は6日行われ、栃木県勢は3競技5種目で栄冠に輝いた。馬術は成年男子トップスコアで広田龍馬(ひろたりゅうま)(那須トレーニングファーム)、成年女子二段階障害飛越で広田思乃(ひろたしの)(同)、少年スピードアンドハンディネスで瀧田玲(たきたれい)(同)が頂点に立った。

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 悲願の夫婦アベックVだ。馬術の成年男子トップスコアで広田龍馬(ひろたりゅうま)(那須トレーニングファーム)が国体4回目の頂点に立ち、妻思乃(しの)(同)が成年女子二段階障害飛越で同6回目の栄冠。同一国体でそろって優勝するのは初めてで、龍馬は「格別の優勝」と喜びを爆発させた。

 思乃には不安要素があった。県勢トップバッターとしての緊張と、前日まで愛馬(愛称ブチ)をうまく乗りこせなかったためだ。この日は早めにアップを始めるなど準備を整え、「ブチは観客が多い方が好き。『一緒に頑張ろう』と言い聞かせた」と振り返った。

 ブチは19歳で人間の60~70歳にあたり、国体出場は今回が最後と決めていた。国内外問わず数々の大舞台をともにしてきたが、国体優勝は今回が初めて。有終の美を飾り、思乃は「優勝できてほっとした。私のちょっとしたミスをカバーしてくれて、頼りになる馬」と感謝の言葉をかけた。

 龍馬は「妻が最高の結果で勢いを与えてくれた」と自身の勝因を語る。しかし、1カ月前に落馬し、鎖骨2本と肋骨(ろっこつ)3本を骨折したばかり。手術などもあり、まともに練習できないまま国体を迎えた。

 体は完治していないが、「地元国体で痛いとか言っていられない」とテーピングや痛み止めを服用し、体にむちを打った。約1分間の競技中は「『ゾーン』(極限の集中状態)に入り、何も感じなかった」と話すが、競技後は苦悶(くもん)の表情を浮かべた。

 馬術初日は出場した県勢全6人が入賞。監督を兼任する龍馬は「史上最高のチーム」と自負する。ベテラン夫婦が逆境を乗り越え、最高の先陣を切った。