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 バトンは受け継がれた。11日に行われた「いちご一会とちぎ国体」総合閉会式。国体旗が来年の開催地・鹿児島県へと手渡され、華麗なダンスや演奏が閉幕を彩った。次は29日開幕の第22回全国障害者スポーツ大会「いちご一会とちぎ大会」(障スポ)。五輪の聖火に当たる炬火(きょか)が障スポへと引き継がれ、共生社会の象徴となる友愛の炎が秋晴れの空に向け力強く燃えた。とちぎ大会から正式競技となるボッチャの実演に、会場は拍手。感動のドラマは、まだ終わらない。

国体選手によって炬火が分火され、障スポ選手(中央2人)に引き継がれた=11日、午前10時50分、宇都宮市のカンセキスタジアムとちぎ
国体選手によって炬火が分火され、障スポ選手(中央2人)に引き継がれた=11日、午前10時50分、宇都宮市のカンセキスタジアムとちぎ

感謝胸に生き生きと ダンスチームが競演

 式典に先立つオープニングプログラムでは野木町のショートフラッグパフォーマー「ソレイユ」と那須塩原市のダンスチーム「ドリームトレジャー」が共演。県南と県北を拠点に活動する両団体の総勢75人が黒と赤の衣装に身を包み、音楽に乗ったダイナミックな演技で会場を活気づけた。

オープニングプログラムでダンスを披露する出演者ら=11日午前9時10分、宇都宮市のカンセキスタジアムとちぎ
オープニングプログラムでダンスを披露する出演者ら=11日午前9時10分、宇都宮市のカンセキスタジアムとちぎ

 「ソレイユ」の衣装制作には宇都宮市内の専門学生が協力するなど、多くの下支えがあった。同グループの最年長メンバー、野木中2年舘野(たての)あいみさん(14)は関係者に感謝し「人生で一度きりの機会に出られて誇りに思う。ものすごく楽しかった」と目を輝かせた。

障スポ出場選手らがボッチャも

 式典前のオープニングプログラムでは、全国障害者スポーツ大会「いちご一会とちぎ大会」(障スポ)に出場する「とちぎボッチャ☆スターズ」の選手らが特設のコートでボッチャを実演した。

 峯岸裕之(みねぎしひろゆき)(47)=真岡市寺内、増子亮(ますこりょう)(56)=鹿沼市千手町=の両選手が目標のボールに狙いを定めて正確な位置に投球すると、観客に感嘆の声と拍手が広がった。

オープニングプログラムで行われたボッチャのデモンストレーション=11日午前9時40分、宇都宮市のカンセキスタジアムとちぎ
オープニングプログラムで行われたボッチャのデモンストレーション=11日午前9時40分、宇都宮市のカンセキスタジアムとちぎ

 とちぎ大会から正式競技となるボッチャ。会場でルールや見どころを解説した県ボッチャ協会の君島紀子(きみしまのりこ)会長(57)=那須塩原市下永田=は「ハンディがあっても、それぞれが持つ力で頑張っているところを見てほしい」と多くの来場に期待を寄せた。