「Honda e」の駆動用モーターなどを説明する佐藤チーフエンジニア(左)=16日午前、宇都宮市

 県と県産業振興センターは16日、ホンダの電気自動車(EV)を使ったワークショップ「Honda e 車両技術説明会」を宇都宮市の帝京大宇都宮キャンパスで開いた。県内自動車関連部品のサプライヤー約50社100人が参加し、実車の最新部品や技術に触れた。

 EV化が進展する中、本県の基幹産業である自動車の部品サプライヤーの開発力と提案力の向上を支援するのが狙い。国の「とちぎ自動車部品サプライヤー支援拠点」と連携した次世代自動車分解・解析ワークショップの一環。

 ホンダ四輪事業本部ものづくりセンター(芳賀町)完成車開発統括部の佐藤正(さとうただし)チーフエンジニアが講師となり、Honda eのコンセプトや技術を紹介した。

 エンジン車と比べEVは部品点数が減ると言われている点について佐藤氏は「完成車工場で組み立てる部品は減る。ただEVの各ユニットは水、振動、ほこりなどに弱く、それをカバーするシールドなどが欠かせない。数え方にもよるが増えるかもしれない」と説明。「(軽量小型化に向け)部品機能の統合や、一つでいろいろなことができる仕様など、開発提案力を高めてほしい」と呼びかけた。

 参加者は分解された実車のユニットなどを観察したり、写真を撮ったりした。

 参加企業は今後、Honda eの部品を自社に持ち帰り、材質や精度などの解析結果を来年3月に報告する。