定番の「しゃけ弁当」。自慢のご飯はもちろん、“おふくろの味”のおかずもおいしい。右はおにぎり

定番の「しゃけ弁当」。自慢のご飯はもちろん、“おふくろの味”のおかずもおいしい。右はおにぎり

 店名に一瞬ドキッとする。けれど、入り口を入って目に飛び込む弁当やおにぎり、総菜。そのラインアップに何だか懐かしさがこみ上げてくる。「玄米で買って精米してガス釜で炊いているから、お米がおいしいと思うよ」。店主の妻木勉(つまきつとむ)さん(75)が声をかけてくれた。

 元は八百屋で、妻木さんは4代目。店名の「長」は初代の長三郎(ちょうざぶろう)さんに由来する。学生ら向けにカップ麺なども置くが、商品はほとんどが妻慈子(いつこ)さん(74)の手作り。弁当・総菜販売の形となってからは20年以上になるという。

 昼時、あっという間に売れていく弁当類。中でも定番は「しゃけ弁当」(550円)だ。自慢のご飯やメインのしゃけはもちろん、昆布やカボチャの煮付けなどのおかずににじむ“おふくろの味”。思わず「おいしい…」と声が漏れる。たらこなどのおにぎりは150円。オムライスや焼きそば、総菜は切り干し大根などを販売している。

 「『おいしかったよ』なんて言ってもらえるとうれしい。そんなのがやりがい」と笑う慈子さん。近所に勤める女性店員やサラリーマン風の男性、お年寄りや小さな子どもを連れた母親など、次々といろいろなお客が出入りする。その様子に驚き、しみじみ眺めてしまった。長く、たくさんの人に愛されているんだなあ。

 ◆メモ 宇都宮市材木町2の12▽定休日 日曜・祝日▽営業時間 午前7時30分~午後3時(土曜は正午)▽(問)028・633・5988