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文星女の4区木村(右)から5区粕谷にたすきをつなぐ=ひたちなか市総合運動公園陸上競技場

佐野日大の1区山口彰(右)からたすきを受けた2区大島が走り出す=ひたちなか市総合運動公園陸上競技場

文星女の4区木村(右)から5区粕谷にたすきをつなぐ=ひたちなか市総合運動公園陸上競技場 佐野日大の1区山口彰(右)からたすきを受けた2区大島が走り出す=ひたちなか市総合運動公園陸上競技場

 男子第75回・女子第31回関東高校駅伝競走大会は19日、茨城県ひたちなか市総合運動公園陸上競技場周辺コース(男子7区間42.195キロ、女子5区間21.0975キロ)で行われ、県勢は男子の佐野日大が2時間6分53秒で7位、女子の宇都宮文星女が1時間11分22秒で8位に入った。入賞は佐野日大が5年ぶり、宇都宮文星女が22年ぶり。

 2019年の台風19号や新型コロナウイルスの影響で、4年ぶりにロードレースで実施。佐野日大は17位でたすきを受けた2区大島福(おおしまふく)が区間7位の走りで5人抜き。3区山口聡太(やまぐちそうた)が10位に押し上げた。4区からは順位を保ち、6区大屋渉悟(おおやしょうご)が3人抜きした。

 宇都宮文星女は1区深澤雫月(ふかさわしずき)がトップと12秒差の3位と好走した。4区までに10位に落ちたが5区粕谷雫(かすやしずく)が区間5位の走りで2人を抜いた。

 男子は埼玉栄(埼玉)が2時間3分36秒の大会新で優勝。女子は白鵬女(神奈川)が1時間8分48秒で制した。

■選手層の厚みに手応え

 順位を二つ押し上げ、宇都宮文星女のアンカー、5区の粕谷雫(かすやしずく)がトラックに現れた。力強く腕を振り、22年ぶりの入賞となる8位でフィニッシュラインを越えた。

 全国大会への試金石に据えたレースだった。海老沢良仁(えびさわよしひと)監督は「このメンバーでどこまでいけるか」とエース山田未唯(やまだみゆ)を温存。県大会から3人を変更した布陣での好走に「上出来」と白い歯を見せた。

 流れをつくったのは不動の1区深澤雫月(ふかさわしずき)。縦長の集団の後方から徐々に順位を上げ、「楽しく、リラックスできていた」と伸び伸びと風を切った。先頭争いとなった残り2キロは失速したが6キロの自己ベストを出し最大限の力を尽くした。

 2~4区は県大会で控えに回ったメンバーが粘りの走り。4区木村華音(きむらかのん)は「入賞できるように」とたすきに思いを込め、前の背中が見える10位で5区へ。「良いところでつないでくれた」と粕谷。1キロ3分20秒のペースを刻みながら追走し、終盤に2人をかわした。不安があったという初挑戦の5キロを「後半まで落ちなかった」と見事に走り切った。

 選手層の厚みを実感できるレースの一方で海老澤監督は「中盤の区間でもう少し流れをつくりたい」と全国大会を見据えた。チーム内の競争を経て、より強くなって都大路に乗り込む。