おいしいトマトをたくさん届けたい
先端栽培で効率化・高収量化を目指す

 

 高根沢町でトマト栽培を行っている篠﨑孝光さん。代々、水稲や原木シイタケ栽培を行う農家でしたが、父の代でトマト栽培に転身。「小さい頃から漠然と農家になる」と思っていた自身も県農業大学校を卒業後、真岡市のトマト農家で1年間の研修を受け、当時最先端の栽培技術を学びました。

 

 篠﨑さんのハウスでは県内では珍しい「ロックウール栽培」を採用。土を使わず、鉱石を繊維状に加工した培地を用いるもので、水や養分、酸素が供給しやすいことから根が発達しやすく、土を使わないため連作障害の心配もありません。また、栽培する品種「麗妃(れいき)」は、トマト農家を悩ませる「黄化葉巻病」への耐性が高く、形も整っている大玉の品種で、秀品率(収穫数の中で良品が占める割合)が極めて高いのが特徴です。越冬トマトで10月から翌年6月頃までが収穫期で、今年もおいしいトマトができました。

「トマト栽培は奥が深い」と話す篠﨑さん。特にこだわっているのが「栽培に適した環境をいかに整えるか」という点です。そのため、ハウス内の温度や光量を常に測定し調整。光合成を促進させる二酸化炭素の濃度も高めに設定するなど、随所に環境制御技術が施されています。現在、48㌃の面積で栽培をしていますが、「おいしいトマトを全国に届けたい」という思いで、今後も効率化と高収量化に取り組んでいきます。