唐辛子専門メーカーの吉岡食品工業(大田原市山の手2丁目、吉岡博美社長は、地元大田原市特産の唐辛子「栃木三鷹」を使った一味と七味の一般消費者向け販売に乗り出した。これまでの主力である業務用に加えて、「鉄釜」ブランドの小売商品として全国展開していく。
業務用原料メーカーだった同社は、これまで社名が前面に出ることはあまりなかったという。同社担当者は「当社だけが種を持つ『栃木三鷹』の魅力を通じて、大田原市が国産唐辛子の総本山であることをPRし、全国の人に社名も知ってもらいたい」と、小売りに注力することを決めた。
小売向け商品である鉄釜は、同社独自の鉄釜でじか火焙煎(ばいせん)した唐辛子。苦味が少なく、切れの良い辛みをはじめ、爽やかなかんきつ系の香りや栃木三鷹のうま味などが特長で、鮮紅色も食欲をそそるとしている。
既に同市の道の駅那須与一の郷など一部で、「とうがらし」の名称で販売していた製品を、全国展開に合わせパッケージを一新。鉄釜と命名した。県の支援事業として専門家による助言を受けた。パッケージには大田原市が唐辛子の生産地日本一も明記している。
一味、七味とも内容量10グラム。価格は缶入り650円、小袋420円。県内のスーパーなどで販売している。