佐野市国際交流協会の設立30周年を記念した国際理解講演会が12日、佐野市文化会館で開かれ、俳優のサヘル・ローズさん(37)が「夢をつなぐ 心をつなぐ」と題して講演した。
サヘルさんは7歳までイランの孤児院で過ごし、8歳の時に養母と共に来日した。高校生で芸能活動を始め、俳優として活動しながら難民支援などに取り組み、2020年にはアメリカで人権活動家賞を受賞している。
講演では、孤児院での暮らしや養母との出会い、多くの人に支えられた来日後の生活を回顧した。「出会いは生きる力になる。血のつながりでなく心から相手と接することが重要」と強調した。
終盤には、戦争の話題にも言及した。「ロシアによるウクライナ侵攻が始まったときは衝撃を受けたと思います。でも(世界には)目に見えない戦争、終わっていない戦争が山ほどあることを忘れないでください」と力強く訴えた。
知人と聴講した足利市大沼田町、主婦福田初枝(ふくだはつえ)さん(74)は「戦争のことや人との関わり方など、いろいろ考えさせられる内容だった」と話した。