特別国民体育大会冬季大会スキー競技会「いわて八幡平白銀国体」最終日は20日、岩手県八幡平市の安比高原スキー場ほかで行われた。県勢6人が出場したアルペン大回転少年男子は40秒37で17位の横尾錬(よこおれん)(足利大付高)が県勢最高位だった。
6番スタートの横尾は悪天候の影響でほぼ半分に短縮されたコースに挑んだが、雪面の状況や強風に苦しみ記録を伸ばせなかった。11番スタートの深澤嵩晴(ふかさわこうせい)(同)も条件に恵まれず40秒63で27位に終わった。
このほか権田武蔵(ごんだむさし)(同)は29位、中島崇秀(なかじまたかひで)(同)は39位、平井章太郎(ひらいしょうたろう)(作新学院高)は116位、塩田優介(しおたゆうすけ)(同)は途中棄権だった。
本県の同競技会の男女総合成績(天皇杯)は21点で12位、女子総合成績は21点で6位とともに昨年を上回った。スケート・アイスホッケー競技会との合計は天皇杯が88点の17位、皇后杯が36点の20位。
悪条件下での苦闘、糧に 横尾錬
どんなに努力を重ねても不運に見舞われることがあるのがスポーツ。「自然相手なので仕方ないところもあるけど…」。アルペン大回転少年男子で17位に終わった横尾錬(よこおれん)(足利大付高)。全国高校総体5位の実力者が悪条件に飲み込まれた。
前夜から降り続いた雪が積もり、懸命にコース整備をした後でも雪面が簡単に崩れる状態。「下見の段階より悪くなっていた。踏み込んでも跳ね返る感触がなくてしっかり滑れない」と苦しみながら必死にゴールへ飛び込んだ。
その後は皮肉な結果が待っていた。横尾錬らスタート順の早い有力選手が滑ったことで雪面が安定し、入賞した8人のうち5人が22番目以降にスタートした選手。天候に振り回された展開に「悔しいです」と言葉を絞り出した。
足利大付高の源田道昭(げんだどうしょう)監督は「うちは急斜面が得意な選手が多いし、きょうは仕方ない」とねぎらったが、横尾錬は「実力不足だったと思う」と潔かった。まだまだ続くスキー人生、あきらめない限り幸運はきっと巡ってくる。