注文住宅の木の花ホーム(栃木県栃木市西方町本城、谷島彰(やじまあきら)社長)は、企業ブランドを再構築するリブランディングに乗り出した。従来の高品質な木造住宅の提供に加えて、デジタル技術で事業変革する「デジタルトランスフォーメーション(DX)」を推し進め、顧客満足度の向上を図る。4月にはロゴも新しくする。
政府は2025年度から、新築住宅に省エネ基準適合を義務付ける。また、高い断熱性能や太陽光発電などでエネルギー消費量を実質ゼロにする住宅「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(通称・ZEH)」などの普及による建物の重量化に伴い、構造計算審査の必要な住宅が大幅に増える。
これらにいち早く対応しようと同社は1月、デザイン性と高機能を兼ね備えた注文住宅「Sシリーズ」の販売を始めた。都内の設計会社と提携し、専門的な構造計算に対応。耐震等級が最も高い「耐震等級3」も満たした。
コンピューター上の3次元モデルデータに設計、施工などの情報を集約するBIM設計も導入。顧客が自分の建てたい家の間取りなどの平面図を立体的に表示して、顧客が思い描くイメージを提示しやすくした。
今月までに計16種の住宅デザインを提案する。うち一つのモデルハウスを下野市石橋に整備し、5月末には運用する予定。
合わせて、自社のショールーム「デジタルスタジオ」(宇都宮市西川田町)に、仮想現実(VR)を使った設備を導入した。ゴーグルをかけ、モデル住宅にいるような体験ができる。
営業担当者には、顧客とのやりとりを共有し、商談の見える化を図るツールを取り入れた。各工程の受発注や業者の作業状況などが分かる管理システム、引き渡し後のメンテナンス情報などを提供するシステムも整え、より迅速な対応につなげる。
谷島社長は「DXを進めお客さまに高い性能やデザイン性を示すことで、当社の変化を感じてもらえる」と話している。