太田彪雅

 柔道の全日本選抜体重別選手権最終日は2日、福岡国際センターで男女計7階級を行い、男子100キロ超級の太田彪雅(おおたひょうが)(25)=栃木市出身、旭化成=が初優勝を果たした。県勢の優勝は2021年に男子73キロ級を制した海老沼匡(えびぬままさし)氏(33)=小山市出身=以来2年ぶり。

 太田は1回戦で指導3の反則勝ちを収め、準決勝は大内刈りで一本勝ち。中村雄太(なかむらゆうた)(東海大)との決勝は延長戦までもつれ込んだが、2分2秒に隅落としで一本を奪った。

 今大会は9~10月の杭州アジア大会(中国)代表選考を兼ねる。世界選手権(5月・ドーハ)代表は出場していない。

パリへの望みつなぐ

 延長2分2秒、隅落としで一本勝ちし大粒の汗をぬぐった。初優勝の太田彪雅は「多くの方のサポートや応援があってのこと」と感謝の言葉を前面に並べた。

 母校・東海大で稽古を共にする後輩との決勝。手の内は互いに知り尽くしているが、「先輩としての意地。負けられなかった」。前に出てきた相手の足を払って切り返し、体ごと投げ落とした。

 強豪ひしめく100キロ超級で「自分の上には2人の選手がいる」とし、「今大会は自分が必ず優勝しないといけない」との覚悟があった。パリ五輪に向けては正念場。わずかな望みをつないだ。