【那須】九尾の狐(きつね)伝説で知られる湯本の殺生石でこのほど、町民らでつくるボランティア団体「那須高原湯本ガイドクラブ」がしめ縄を交換した。
しめ縄の交換は他の石との区別や、周辺で噴出する硫化水素の影響で死ぬ動物の霊を慰める目的で毎年実施してきた。しかし殺生石が昨年3月に真っ二つに割れていることが判明し、作業の安全性などを考慮して同年の交換は中止した。その後、石が動かず安定した状態が続いてきたため、2年ぶりに作業を行った。
同クラブの会員10人が参加し、まず殺生石に近い那須温泉神社で、稲わらをよって約16メートルのしめ縄を作成した。これまでは1本を一つの輪にしていたが、今年は縄の両端に輪を作り、二つに割れた殺生石にその輪を設置。しめ縄で殺生石をつないだ。
同クラブの菅原正晴(すがはらまさはる)会長(85)は「殺生石は割れてしまったが、これからも毎年作業を続けたい」と話した。