未成線「長倉線」ツアーの観光スポットとして茂木町が河井に設置した希少な車掌車のお色直しが進み、幻の「下野中川」停車場で公開が始まっている。
車掌車(事業用貨車)は旧国鉄時代の1962年製「ヨ5000形貨車」で、貨物列車の最後尾に連結されていた。現存数は極めて少ないという。東京都内の男性から譲り受け、外観を再塗装するなどして今月のツアーから公開している。
車掌車は活躍当時をしのばせる黒々とつやのある外観を取り戻し、真岡線で使われた100年以上前のレールに載せられている。隣には古い腕木式の信号機も設置された。
16日の今季2回目のガイドツアーには県内外の16人が参加し、盛んにカメラに収めていた。群馬・長野県境で信越本線の「廃線ウォーク」を開催して観光資源化している群馬県安中市「碓氷峠鉄道文化むら」職員とボランティア計4人も参加。小林圭介(こばやしけいすけ)さん(28)は「廃線ウォークの発想と違い、想像力をかきたてられる。可能性は無限大にある」と評価していた。
次回の春季ツアーは30日に6キロの踏破コース送迎付きを予定。参加申し込みを受け付けている。
(問)町観光協会0285・63・5644。