那須塩原市は8日、ベトナム・カントー市と、両市の発展に向けて相互協力する覚書を締結した。双方の基幹産業である観光、農業分野を中心にイベントの開催や代表団の交流を通じて関係を強化していく。
この日は両市の関係者がオンライン会議を開き、渡辺美知太郎(わたなべみちたろう)市長とカントー市人民委員会のトラン・ビエト・チュオン委員長(52)が覚書に署名した。覚書の内容は「観光、農業分野を中心にイベントの開催や代表団の交流、会議を行い、情報交換と関係強化に努める」ことなど5項目。
渡辺市長は祖父の故美智雄(みちお)元外相の代からベトナムと親交を深めてきた経緯を振り返り、「非常に感慨深い思いがある。両市が互いに成長できるように力を尽くしたい」とあいさつ。トラン委員長はカントー市内で日本企業向けの工業団地の整備が進んでいることを紹介し、「覚書が両市の発展に貢献し、協力関係が深まることを願っている」と期待を寄せた。
渡辺市長は6月に市のトップセールスでカントー市を訪問し、滞在期間中に同市で開かれる日越外交関係樹立50周年を記念した文化・経済交流フェスティバルの中で覚書をお披露目するという。