事件事故の被害者遺族が思いをつづったメッセージ集「証」

 事件事故の被害者を支援する「被害者支援センターとちぎ」(宇都宮市桜4丁目)は16日までに、遺族の思いをまとめたメッセージ集「証(あかし)」を発行した。9人の遺族が家族を突然失った悲しみや事件事故の根絶に向けた思いをつづった。2007年から毎年発行しており、17冊目。

 茂木町、橋本精作(はしもとせいさく)さん=当時(65)=は18年9月、同町内の町道でコンバインを運転中、後ろから来た車に追突された。衝撃で約18メートルはね飛ばされ、体を強く打って亡くなった。

 妻洋子(ようこ)さんは、「どんなに無念だったろう」と夫の心境に思いを巡らせる。センターの自助グループの存在が心の支えになったことを明かし、「残った者は、それでも前を向いていかないとなりません」と記した。

 取材に対し「交通事故は大切な命と家族の日常を一瞬で奪う。細心の注意を払って運転して」と訴えた。

 同センターの本村誠(もとむらまこと)事務局長は「遺族の声を聞いて少しでも心情に触れて、被害者支援の大切さを知ってほしい」と呼びかけている。

 1500部作成。全国の学校や官公庁、矯正施設に配布している。(問)同センター028・623・6600。