大田原神社で4年ぶりに奉納されたフラダンス

 大田原神社(大田原市山の手2丁目)でこのほど、県北を中心に活動するフラダンス教室「オハナククナ」の生徒たちがフラダンスを奉納した。新型コロナウイルス禍の影響で4年ぶり。境内で踊れる喜びに加え、奉納できずにいる間に東日本大震災による神社の被害が復旧したことへの感謝の思いも込めた。

 教室講師の早川優子(はやかわゆうこ)さん(60)が大田原神社の権禰宜(ごんねぎ)を務める縁で2018年から奉納を始めたが、20〜22年は中止を余儀なくされた。

 早川さんは「活動できずに寂しい気持ちになった」と打ち明ける。

 一方、12年前の東日本大震災では、境内の大田原護国神社の社殿が倒壊し、「一の鳥居」が深刻なダメージを受けるなど大きな被害を受けた。継続的に復旧を進め、20年秋に「一の鳥居」が再建され、一連の復旧工事は完了。しかしフラダンスで感謝を示す機会は訪れなかった。

 フラダンスは神々への信仰表現であり、神社への奉納は「本来の姿」という。

 踊りの再開と復旧工事の完了という二つの出来事を踏まえ、今年の奉納には「神様がいつも見守ってくださり現在まで導いてくれた」ことに対する「神恩感謝(しんおんかんしゃ)」の思いを込めた。

 幼児から80代の生徒45人が参加。ハワイ王がサーフィンをしている内容の「ヘエイア」や、鎮魂や被災者への応援のメッセージを込めた「カアナアレ」など7曲の緩やかな調べが流れる中、華やかな衣装でフラダンスを踊り、境内はハワイのムードが漂った。

 早川さんは「奉納できて、また頑張ろうと思えた」と話した。