県民の防災意識を高めようと、県は仮想現実(VR)技術で地震や風水害、火災を疑似体験できる防災体験車を導入する。公募型プロポーザル方式で近く業者を選定し、年度内の運用開始を目指す。
県は2002年、宇都宮市中里町の県消防学校に震度7までの地震を体験できる起震車を整備。市町の防災イベントにも貸し出すなどして県内で広く活用してきた。
導入後20年が経過し故障が頻発する上、メニューが地震体験に限られているため、県は「県民のニーズに十分応えられていない」と判断。VRゴーグルを着用することでよりストーリー性のある疑似体験が可能となるVR防災体験車への更新を決めた。
県によると、同様の体験車はこれまで、東京消防庁や和歌山市消防局で導入している。県の体験車は和歌山市と同じ4人乗りを想定しており、県消防防災課の担当者は「比較的防災意識が低かった若い世代のほか家族連れなどの意識高揚につながるのではないか」と期待している。
県は体験車の機動性を生かし、県内全域に派遣するほか、県総合運動公園(宇都宮市西川田4丁目)内に整備が計画されている新防災教育施設との連携も検討する。