1889(明治22)年に「市制・町村制」が施行され、全国的に町村合併が進められました。市制・町村制施行前、県内にどのくらい市町村があったと思いますか。なんと1257もありました。現在の数が25(市14、町11)なので、実に50倍です。

 第2次世界大戦後に定められた新憲法の下では、住民の意思に基づいて行われる「地方自治」の確立が市町村の政治の課題となります。新たな事務などを受け入れられる体制の整備が必要となり、1953(昭和28)年に「町村合併促進法」が施行され、さらに合併が進められます。同法を発展させて補うものとして、56(同31)年には「新市町村建設促進法」が施行。これらの法律の下で進められたのが「昭和の大合併」です。

 これによって、県内の市町村数は3分の1に減少。65年9月30日には49となりますが、この時の合併が、当時の小山市と桑絹町によるものでした。全国各地でもめ事が起きた、昭和の大合併。同町内でも合併論議を巡って激しい対立が起き、当時の下野新聞はその騒ぎの大きさについても伝えています。

 ところで、同町は現在の同市絹地区に当たります。皆さんが住む場所にも、古い町や村の名前が残っているのではないでしょうか。

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