大田原市役所

 大田原市は12日、17年間にわたって市内に立地する事業者1社の固定資産税計約4966万円を過大に徴収したと明らかにした。加算金約822万円を合わせ、約5788万円を還付する方針。6月定例市議会に補正予算案を提出する。

 市によると、事業者は建物の増築に伴う形で2003年度、構造の登記を「鉄骨造り」から「鉄骨鉄筋コンクリート造り」に変更。市はこれに合わせ、固定資産税を徴収してきたが、実際は「鉄骨造り」のままだった。登記と実態が異なっていた理由は不明という。

 今年3月、事業者側からの指摘で誤徴収が判明。誤って払った税の還付請求期間を5年間とする地方税法のほか、納税者の不利益軽減などを図る市税過誤納返還金交付規則に従い、変更後の登記内容が反映された06年度から22年度分を還付する方針。23年度分は修正した額で対応している。

 市は、固定資産税額の算出に当たって登記簿と実態を照らし合わせることを基本としている。本件についてそれを確認する資料は残っていないが、誤徴収の原因について「必要な確認を怠ったと推察する」という。相馬憲一(そうまけんいち)市長は取材に「長期間ご迷惑をおかけして大変申し訳ない。再発防止を徹底する」と説明した。