市が昨年度整備した自転車専用通行帯。車道の左端が青色に塗装されている

 【宇都宮】市内の自転車専用通行帯(規制対象分)は35・4キロに上り全国1位であることが14日までに、市の推計で分かった。環境意識や健康志向の高まりなどを受け、市は2005年度から、自転車が安全で快適に走れる通行空間を本格的に整備。ドライバーらに自転車走行を注意喚起する「矢羽根型」の路面表示、自転車歩行者道の分離なども含めると、市内の自転車走行空間は77・6キロに達している。市が推進する「自転車のまち宇都宮」は、名実共に全国に誇れる取り組みとなっている。

 自転車専用通行帯は、車道の端を青色に塗装した部分で一般車両は通行できない。市はJR宇都宮駅や高校周辺など自転車の通勤・通学者が多いエリア、路線バスにアクセスしやすいエリアを中心に整備。市内では4月末現在、35・8キロ整備された。

 このうち道路標識などで明示し、法的規制対象となるのは35・4キロ。市が警察庁や各県警などに確認したところ、規制対象の総延長は全国の市町村別で最も長いと推計した。

 市はこのほか、矢羽根型の青い路面表示で31・5キロ、自転車歩行者道の分離や路側帯のカラー舗装で10・3キロを整備。全ての手法を合わせた自転車走行空間は計77・6キロに上る。

 市は02年度に自転車利用・活用基本計画を策定し、05年度から市中心部で自転車走行空間の整備を始めた。10年度には自転車のまち推進計画も策定。近年は年間7・2キロずつ取り組んでおり、総距離目標として25年に87・3キロ、30年には123・3キロを掲げている。

 市道路建設課の担当者は「自転車に乗ってみたいと思えるまちづくりの一環。自転車だけでなく、歩行者も車も安全に使える道路空間を整備していく」と話している。