アーチ式コンクリートダムを模して弓なりに盛られた県産の白米を崩し、「川治グリーン」と呼ばれる緑がかった美しいダム湖を表現したグリーンカレーを口に運ぶ。ルーに溶けた野菜の甘みやうまみ、素揚げされた野菜の香ばしさ、後から追ってくる香辛料の辛みが癖になる。
見て楽しく食べておいしいこの本格ダムカレーは「食事処(どころ) 向日葵(ひまわり)」の「川治ダムカレー」。ダム湖と周囲の自然が一望できる川治ダム資料館に約4年前開店した同店の、米や野菜、肉を県産にこだわった看板メニューだ。
下流を表現したポークカレーは比較的甘めだが、野菜や肉のうまみに、しょうゆなどで味付けされた角煮が隠し味となり、大人も満足のおいしさ。
作り上げたのは、横浜の中華料理店で約8年修業し、川治地域で甘味処やラーメン店を営む店主の関本昭(せきもとあきら)さん(82)。米を盛る金型を特注し、一からメニューとレシピを考え、客の感想を取り入れながら改良を重ね現在の味にたどり着いた。
関本さんは「せわしない世の中なので、豊かな自然を眺めながらのんびりおいしいカレーを食べて、少しでも心を休めてもらえたら」と笑顔で話す。
▼メモ 川治ダムカレーは1155円▽日光市川治温泉川治293の3、「川治ダム資料館」1階▽営業時間 午前11時~午後2時(日によって延長)▽定休日 木曜。不定休あり▽(問)0288・78・0725。