協定を結んだ姿川地区の田口会長(左)と上河内地区の小嶋会長

 【宇都宮】上河内地区と姿川地区双方の地域づくりを活性化させようと、両地区のまちづくり協議会が3日、上河内地区市民センターで友好地域協定を締結した。「地域の“とっておき”で交流」と銘打ち、文化、芸術、スポーツ、観光の地域資源を生かした相互交流を展開し、地域の魅力向上や発信につなげる。地形的な違いを生かし、災害時の相互支援も行う。市によると、まちづくり協議会間の地域協定は県内初で全国的にも珍しい。

 両地区間の距離は約20キロ。上河内地区は2007年に旧上河内町が市に編入合併した地区、姿川地区は人口5万8千人と市内最大規模の地区で、それぞれ歩みや特性が異なる。3月まで上河内地区市民センター副所長を務め、現在は市姿川地区市民センターの近藤康(こんどうやすし)所長が、両地区ともまちづくりビジョンに「交流」を盛り込んでいる点に着目し、両協議会を結んだ。

 交流は相互出前形式。片方の地域資源の講座を相手方の地域で開催し、住民が体験する。第1弾は、ユズが特産の上河内地区が「ゆず染め体験講座」を姿川地区で実施。国指定史跡根古谷台遺跡のある姿川地区は「縄文土器づくり講座」を上河内地区で行う。今年は計7回の事業を計画した。

 同日の締結式には両協議会から計8人が出席した。上河内地区まちづくり協議会の小嶋理男(こじまただお)会長は「互いの地区の魅力を知ることで活性化につながる。他地区にも広がるよう進化させたい」と述べ、姿川地区まちづくり協議会の田口順一(たぐちじゅんいち)会長は「互いに手を取り合って末永く交流を続けたい」と応じた。商品化を進めている上河内地区のユズを丸ごと使った特製ケーキも披露され、花を添えた。