佐藤 宏胤さん(24歳)
佐藤 宏胤さん(24歳)

実家の土地生かし昨年から栽培開始

 夏到来です。今が旬の夏野菜といえばナス。ポリフェノールを豊富に含み、がんや高血圧予防、コレステロール低下などに効果があるといわれるナスは、麻婆茄子やカレー、煮びたしなど、いろいろな料理にも合う野菜です。

 そんなナスを益子町で栽培しているのが、JAはが野なす部会に所属する佐藤宏胤さん。都内の大学で経済を学んだ後、「故郷の土地を農業で生かしたい」と新規に就農。昨年からナスとサツマイモの栽培を始めました。

収穫を間近に控えたナス
収穫を間近に控えたナス

 栽培するナスは「千両二号」という品種で、濃黒紫色で果皮が柔らかいのが特徴。現在は、10㌃の畑で600本のナスを一人で栽培しています。

 ナス栽培で大切なのは剪定(せんてい)と誘引。伸びた枝を「4本仕立て」で支柱に張った線にくくり付け、余分なわき芽や葉を取り除き、太陽の光と養分が十分実に行き渡るようにします。

 「剪定や誘引は生育状況や病気・虫が出ていないかを確認する上でも欠かせません」と佐藤さんは話します。

 就農1年目の昨年は、害虫の被害があったものの、年間収量は7・7㌧とまずまず。今年は害虫を寄せ付けない効果があるといわれるマリーゴールドをコンパニオンプランツ(共栄作物)として一緒に植えるなど、新しい試みもいくつか試しました。

収量増や多角化 目標を見据えて

 現在、収穫の最盛期を迎え、毎朝、早朝4時から作業に追われています。小さい頃からナスが大好きだったという佐藤さん。今季の出来について、「形のいい、おいしいナスに育ちました」と話してくれました。家族や周囲の反応も好評で手応えを感じています。

葉かき作業で生育の状況を把握
葉かき作業で生育の状況を把握

 「昨年以上の年間収量を目指し、おいしいナスをたくさん届けたい」と抱負を語ります。栽培したナスは、JAはが野を通じて首都圏をはじめ全国に出荷されます。おいしいナスは艶があって色がしっかりしているものがお薦めだそうです。

 若手農家の集まりである4Hクラブにも所属。同年代の農家との交流や情報交換は大きな刺激になっているといいます。将来は、現在栽培しているナスやサツマイモ以外の作物や果樹栽培などにも挑戦し、大学で学んだ経済学なども生かし農業の多角化も検討していきたいと話してくれました。今が旬のナス、ぜひ夏バテ防止に召し上がってみてください。