陶器の産地として国内外に知られる益子町。自然豊かな風土を象徴するように一角にたたずむのが、かやぶき屋根の濱田窯(はまだがま)長屋門です。同町を代表する人間国宝の陶芸家濱田庄司(はまだしょうじ)(1894~1978年)が、ある特別な目的で今の場所に移築しました。

かやぶき屋根が美しい濱田窯長屋門
かやぶき屋根が美しい濱田窯長屋門

 益子町を拠点に活動し、益子焼の発展にも大きく貢献した庄司は、作陶には自然と共生する健やかな生活が大切と考え、10棟以上もの古民家や長屋門を各地から移築しました。中でも濱田窯の玄関として建つ濱田窯長屋門は、友人で英国を代表する陶芸家のバーナード・リーチをもてなすために移築された、友情の証しとも言える建物です。