農地で一時保管されている指定廃棄物。まだ暫定集約先は決まっていない=28日午後、矢板市内

 「どうしてうちだけ。早くなくなってほしい」。東京電力福島第1原発事故で発生した指定廃棄物問題で、暫定集約場所が決まっていない矢板市の農家からは切実な声が上がる。農地での一時保管は終わりが見えず、不安からの解放を願う。塩谷町上寺島の国有林が処分場(長期管理施設)の詳細調査候補地に選定され30日で9年。「白紙撤回」を求める同町に対し、国から積極的な働きかけはないという。最終的に「県内1カ所への集約」を目指す国の処分場計画は、膠着(こうちゃく)状態が続く。