誰もが願う平和な世の中。戦争について学んだり考えたりすることは、平和の実現に向けてとても大切なことです。

 戦争や平和について学び考える機会は、県内でもさまざま設けられています。

 原子爆弾が落とされた広島市での平和記念式典に中学生を参加させる取り組みがあります。近年は新型コロナウイルスの流行で中止した市町もありましたが、今年は栃木や那須など複数の市町が実施しました。

 戦時を知る人たちを講師に迎えた講演会も開かれています。鹿沼市では昨年、同市出身のノンフィクション作家柳田邦男さんが自らの経験に触れ、「戦争は軍人だろうが子どもだろうが無関係に殺りくしてしまう」などと訴えました。

 宇都宮空襲があった宇都宮市では7月、空襲の記憶をつないでいこうと催しが開かれました。市民団体から引き継いで開催した宇都宮共和大の学生団体で代表を務める藤田虎流さん(20)は「街の歴史を知る機会。子どもたちに引き継げたら」と話します。

 下野新聞も取り組んでいます。昨年はアニメ映画の主人公にちなんだ「#あちこちのすずさん」キャンペーンと連携し、戦時の日常に関する話を読者から募って紹介しました。敵の飛行機が近づいてきた恐怖のほか、兄のように慕っていた「兵隊さん」が戦後に帰ってこなかった話など。皆さんのそばにも、当時を語ってくれる人がいるかもしれません。

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