プレシーズンゲームの京都戦で3点シュートを狙うブレックスの比江島(中央)

 今季の宇都宮ブレックスは昨季と違う。開幕前のプレシーズンゲーム(PSG)、天皇杯2次ラウンドは5戦全勝。既存選手と新戦力が融合し、2季ぶりのリーグ優勝を予感させる好調さを見せている。その要因は戦術面で変化が起きているからだ。

 日本一に輝いた2021-22シーズンはインサイドで強みを発揮した。ゴールに近いペイントエリア内のシュート成功率は51・50%でリーグ6位。しかし昨季は10ポイント近く下降し、41・63%の同20位まで落ち込んだ。同時に2点シュート成功率はワースト2位の49・1%。わずか1年で強みを失ってしまった。

 理由は攻撃がインサイドに依存し過ぎたことにある。昨季はスクリーンプレーの「ピック・アンド・ロール」でフリーのスペースを作ることができず、最後はマークを外さないまま強引なシュートで終わる場面が目立った。選択肢を奪われ、動きが停滞した。