国際自転車競技連合(UCI)公認のアジア最高位の自転車ロードレース「2023ジャパンカップサイクルロードレース」は13~15日の3日間、宇都宮市内で開催される。13日は同市江野町のオリオンスクエアでチームプレゼンテーションが行われ、14日は大通り周回コースでクリテリウム、15日は同市森林公園周回コースでロードレースが行われる。

 1992年に開催された第1回大会から30回目を迎える今大会は19チーム、114選手が出走。世界最高峰カテゴリーのワールドチームは過去最多タイの7チーム。トップレーサーたちの激走が今年も輪都を熱くする。

県勢食らい付けるか クリテリウム展望

 宇都宮市大通りを舞台に行われるクリテリウムは、東武馬車道通り入り口から上河原交差点までの1周2・25キロのコースを17周(パレードラン2周を含む)し、頂点を競う。

 例年同様、大集団でのゴールスプリントになるのか、逃げを成功させた少人数の争いになるのか-。

 今大会は世界最高峰のワールドチームが過去最多タイの7チーム参加する。各チームのエントリーではロードレースに比重を置いた編成に見えるが、クリテリウムでも上位を争える地力がある。

 優勝候補筆頭は現在2連覇中のエドワード・トゥーンス(ベルギー、リドル・トレック)。前回は約35人による大集団のゴールスプリントを制した。ジューリオ・チッコーネ(イタリア)、ジュリアン・ベルナール(フランス)らチームメートと連携し、大会初の3連覇に挑む。

 ジロ・デ・イタリアなど世界三大レースで区間通算3勝、国内選手権タイムトライアル(TT)7勝のレイン・タラマエ(エストニア、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)、前回2位のアクセル・ザングル(フランス、コフィディス)の走りにも注目したい。

 宇都宮ブリッツェンは前回自己最高の5位に入った小野寺玲(おのでられい)が食らいつけるか。今季からブリッツェンに加入したフォン・チュンカイの強力なアシストを力に、悲願の表彰台をつかみ取りたい。

 このほか国内勢は、前回3位の岡篤志(おかあつし)(JCLチーム右京)、9月末の「おおいたいこいの道クリテリウム」を制した岡本隼(おかもとはやと)(愛三工業)らがスプリント勝負に対応できるか。

強豪ぞろい 節目彩る ロードレース展望

 ロードレースは宇都宮市森林公園駐車場を発着点に、公園内や周辺一般道を走る1周10・3キロのコースが舞台。今年は30回大会を記念し、前回より2周多い16周、過去3番目の長さとなる総走行距離164・8キロで争われる。

 標高差185メートルの古賀志林道をはじめ、各上り坂の距離は1キロほどと短め。途中で約2キロの平地もあり、ロードレースのさまざまな要素がコンパクトに詰まったコースだ。クライマーだけでなく、スプリンターにも勝機はある。

 注目のワールドチームは昨季、全18のワールドチーム中3位の47勝を挙げ、2013年以来10年ぶりの参戦となるスーダル・クイックステップ(ベルギー)。20、21年の世界選手権を連覇したジュリアン・アラフィリップ(フランス)の出場も予定され、初出場初優勝を狙う。

 このほかでは、EFエデュケーション・イージーポスト(米国)に所属し、前回2位のアンドレア・ピッコロ(イタリア)も優勝候補。クライマー中心の構成で臨むリドル・トレック(米国)は、今夏のツール・ド・フランスで山岳賞を獲得したジューリオ・チッコーネ(イタリア)、15、19年王者のバウケ・モレマ(オランダ)を軸に頂点を狙う。前回日本人最高の11位につけた新城幸也(あらしろゆきや)(バーレーン・ヴィクトリアス)は97年以来、26年ぶりの日本人優勝を狙う。

 プロチームのイスラエル・プレミアテック(イスラエル)からは、クリス・フルーム(英国)が参戦。ツール・ド・フランス通算4勝、ブエルタ・ア・エスパーニャ通算2勝で、18年にジロ・デ・イタリアを制してグランツール完全制覇を果たしたレジェンドの走りに注目したい。

 国内勢は宇都宮ブリッツェンの谷順成(たにじゅんせい)が地元の意地を見せられるか。5月に行われたツアー・オブ・ジャパンで日本人最高の個人総合3位に入った岡篤志(おかあつし)(JCLチーム右京)、昨季までブリッツェンに所属した増田成幸(ますだなりゆき)(同)らも上位をうかがう。