帝国データバンクは16日、刺しゅうレース製品製造業のサン・ハイノ(佐野市赤見町)が宇都宮地裁足利支部から破産手続きの開始決定を受けたと発表した。9月29日付。2019年11月期末時点負債総額は約2億9900万円。

 帝国データバンク宇都宮支店によると、サン・ハイノは11年設立。「イッセイミヤケ」「コムデギャルソン」「ピンクハウス」など有名ブランドの婦人用アウターなどを中心に刺しゅうを施していた。最盛期の15年11月期には売上高約1億100万円を計上していた。

 一方、顧客ニーズに対応するため、最先端の製造設備を導入するなど設備投資が旺盛で、その大半を金融負債で賄ったことから資金繰りが悪化。加えて景気後退でアパレル業界が低迷し、受注は16年ごろから長期低迷が続いた。

 19年には債務超過に陥り、21年8月には新型コロナ禍の影響で受注が大きく減少し、従業員を全員解雇して事業を停止。その後は卸売業への転換など事業存続策を検討したが思うようには進まず、22年2月、弁護士に事後処理を一任した。