栃木県にはたくさんの工場や工業団地があります。みんなが住む地域にもありますか。県内の工業について、2回に分けて紹介します。
栃木県は東京から60~160キロ圏内にあり、東京と東北地方を結ぶ高速道路や国道、新幹線などが通っています。抜群の交通利便性は、企業を誘致する上で大きな強みとなっています。平地が多く、災害が少ないことも、工場建設にはメリットになります。
県は1954年に企業の進出を後押ししようと工場誘致条例を制定し、企業誘致を積極的に進めてきました。68年には上三川町に日産自動車栃木工場が稼働し、周辺には関連工場や部品メーカーなども次々とできました。
県や市町、民間企業は工場を1カ所に集めた工業団地の開発も進めてきました。県内で一番広い工業団地は、74年に分譲が始まった宇都宮市の東部にある清原工業団地です。総面積は約388ヘクタールで、国内最大規模。団地内にはたくさんの工場が建っています。今年開通したばかりの次世代型路面電車(LRT)の宇都宮芳賀ライトレール線は団地内も走っています。
県によると、県内には知事が承認した工業団地が117カ所あります。今も7カ所を分譲中で、7カ所を造成しています。県産業政策課の担当者は「工業団地は雇用や税収を生み、産業の活性化につながります。新型コロナウイルスの5類移行後は、企業の設備投資欲が増しており、問い合わせが増えています」と話しています。