全国各地の市街地でクマやイノシシなどの野生動物の出没が相次いでいることを受け、福田富一(ふくだとみかず)知事は14日の定例記者会見で、捕獲や追い払い対策などを強化する「市街地出没対応訓練」を来年1月末~2月初めに宇都宮大峰キャンパスで実施すると明らかにした。
本県では10月下旬、宇都宮市中心部で初めてイノシシが目撃された。同市岩曽町の住宅付近では5月にシカと乗用車が衝突する事故が発生している。県北では宿泊施設やその付近でクマが出没し、散歩中の宿泊客が襲われるケースもあった。
県自然環境課によると、訓練は市町職員や猟友会員らを対象に、市街地に野生動物が出没したとの想定で、捕獲や追い払いまでの一連の流れを確認する。県と宇都宮大による「県獣害対策地域リーダー育成研修」の一環として実施する。
福田知事は関係団体と連携しながら対策を強化するとした上で「人的被害を防ぐには地域住民や観光客の協力も不可欠になる。野生動物を誘引する柿などの果実の除去や隠れ場所になるやぶの刈り払い、早朝や夕方の一人歩きを避ける対策などを改めてお願いしたい」と呼びかけた。