田中正造の貴重な直筆書簡などを展示した企画展

 【佐野】没後110年を記念した企画展「未公開文書からたどる田中正造(たなかしょうぞう)」が市郷土博物館で開催されており、直筆の書簡や写真をはじめ貴重な資料約80点が展示されている。同博物館は「数々の書簡などからは、正造はもちろん、周囲の人々や妻も足尾鉱毒事件に向き合う中で、その時代を懸命に生きた姿が浮かんでくる」としている。12月10日まで。

 企画展では、同博物館が寄託を受けている旧黒澤酉蔵(くろさわとりぞう)家文書(田中正造全集未収録の資料)を中心に展示している。黒澤は北海道製酪販売組合連合会(現雪印メグミルク)や北海道酪農義塾(現酪農学園大)などを創設し、日本酪農の父と呼ばれる。一時期を共に過ごし、黒澤は環境や人権などで正造の影響を大いに受けたとされる。