稲見商店が香港へ輸出する卵の出荷作業。昨夏以降、定期的な輸出が続いている=11月中旬、大田原市(同社提供)

 香港のスーパーに昨夏、本県産の卵が初めて並んだ。稲見商店(大田原市山の手1丁目)が輸出した高級卵「稲神(いながみ)たまご」だ。

 通関の書類作成、市場調査、物流の手配…。初の試みに稲見正之(いなみまさゆき)常務(44)は「やらなきゃよかったと思うほど大変だった」。

 足利銀行は、地元大田原支店の担当者がニーズを聞き取り、本店や香港の事務所などと共有。ネットワークを生かし、販路の開拓など課題を一つずつ解決していった。

 香港での売り上げは順調。稲見常務は足銀に感謝し、「ここ数年、融資以外のサポートが手厚くなっている」と実感する。