栃木県は1日までに、県障害児福祉計画(3期計画、2024~26年度)の素案をまとめ、施設に入所する障害児が18歳を迎える際に成人にふさわしい環境へ移行できるよう、関係機関との協議の場を設置する方針を盛り込んだ。整備の遅れが指摘される児童発達支援センターについては、引き続き全市町に1カ所以上の設置を目指す。
県内には福祉型障害児入所施設が矢板、さくら、那須烏山、下野の4市に計4施設あり、定員は合わせて70人。18歳以降も同施設に継続入所する障害者については、18年度に同施設の一部を障害者支援施設に転換し、支援を継続している。
一方、同施設を出て別の障害者施設などに移る際は、施設同士が連絡を取り合って調整してきた。県障害福祉課によると、こうした調整でスムーズに移行できるケースもあれば、空きがなく行き先が決まらないこともあり、個別の対応では限界があるという。
新たに設置する協議の場では、市町や児童相談所、障害児入所施設、相談支援事業所などの担当者が連携し、スムーズな施設移行などにつなげる。また障害児の移行状況を把握するほか、グループホームなど移行先として必要な地域資源の課題についても把握し、障害児入所施設の今後の在り方についても議論する。
同課の担当者は「オフィシャルな場があれば、より広域な調整ができる」と話し、設置時期や設置箇所数などは今後検討する。
児童発達支援センターは、12年の改正児童福祉法で規定された障害児通所支援事業所。障害に応じた療育を行う。一般的な事業所に比べ人員や設備面のハードルが高く、現時点では栃木や那須塩原など7市10施設にとどまっている。
県は現計画でも全市町への設置を目指していたが、手を挙げる事業者が少なかったため、来年度以降も市町を通じて設置を促し目標達成を目指す。