
水やり、換気に機械も導入 イチゴ作りを効率化
冬本番、いよいよイチゴのおいしい季節がやってきました。生産量日本一を誇る本県のイチゴは「とちおとめ」、「スカイベリー」、「とちひめ」など種類も豊富ですが、最近は酸味が控えめで甘みが強い「とちあいか」の生産が増えています。歴史も古く、高品質のイチゴの生産地として知られる鹿沼市の見野で、佐藤さんご夫妻は今年1月からイチゴの栽培をスタートさせました。11月8日、24年産(23年冬~24年春)の初出荷を無事に済ませ、来年5月末日まで収穫に追われる日々を過ごしています。

知之さんは20歳で結婚したのを機に、農業を営む由貴さんの実家に入りました。2人は農産物を生産する会社勤務などを通し、トラクターの運転技術やイチゴ作りのノウハウを身に着けました。現在、自宅の田んぼだった土地を利用し、7棟のハウス(うち2棟は育苗)でイチゴを栽培。水やりや換気を自動で行う設備も導入しました。「機械に任せられるところは任せて、その分イチゴ作りに専念したい」と知之さん。朝起きて収穫し、昼間は苗の手入れ、午後はパック詰めという一日。苗植えや土運びなどで忙しい時は、両親や専門学校生の息子が手伝ってくれるそうです。
寒さで糖度が上がる まさに今が食べ時
高校の同級生だった2人は、結婚25年目で息もぴったり。知之さんは肥料や薬の調合、由貴さんは苗の手入れなど役割分担し、お互い「心強いパートナーです」と信頼を寄せています。

本年度、JAかみつがいちご部では、189人が生産に従事。忙しい合間を見つけては3、4カ月に一度、青年部で検討会を実施し、品質向上のための情報交換などを行っています。「収穫のピークは3月ですが、12月から1月の寒い時期はゆっくり赤くなり、味も甘さも濃厚なので、まさに今が食べ時」と知之さん。生産初年度ですが出来栄えは上々で、出荷目標は12〜13㌧を目指しています。「自慢になってしまいますが、おいしいと高評価をいただき、いいスタートが切れました。口に入るものですから、安心安全にも細心の注意を払いました」とにっこり。「とちあいか」はパリっとした食感が特徴だといい、「酸味が少ないので、子どもも喜ぶ味。ぜひ、大粒をそのままで召し上がってください」と自信を持って話してくれました。