11月に観光客が散歩中、クマに襲われた那須町。本年度は39件の目撃情報が寄せられた。昨年度17件の2倍以上で、昨年度は目撃のなかった10月以降にも数回、目撃されている。
同市ではクマの目撃や被害のあった場所を職員と地元猟友会メンバーが訪れ、住民に対策を呼びかけている。捕獲するのは、住宅地に頻繁に姿を見せ、人命に関わると判断した場合や農作物に甚大な被害が出ている場合に限っている。市の担当者は「すみ分けできることが理想。寄せ付けないことが一番の対策になる」と捕獲が苦肉の策であることをにじませた。町は広報活動や情報を猟友会に伝え、対応を行っている。
目撃が長期化している理由について、県立博物館学芸部自然課小笠原佑(おがさわらゆう)さん(36)は、餌となるブナなどのドングリが不十分で、冬眠までに必要な栄養が蓄えられていないことなどが考えられると指摘する。
同市は今後クマが住宅地に出没した際、住人の避難方法などの対策を検討する方針。同町は県と共同で注意喚起を続けていくとしている。
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