鉄道好きタレントとして知られる鈴川絢子さん(32)が20日、宇都宮市内を訪れ、次世代型路面電車(LRT)の車両基地などを見学した。「LRT都市サミット宇都宮2024」の記念講演(1月27日)に登壇する。記者が同行し、愛好家から見た「LRTの魅力」に迫ってみた。
鈴川さんは国内外の鉄道に乗り、魅力や特徴をユーチューブなどで発信している。チャンネル登録者は100万人超。100万人を祝した「金の盾」を受け取ったことをX(旧ツイッター)で報告している。
午前10時、鈴川さんが宇都宮駅東口停留場に降り立った。「11月に家族で宇都宮市に来た時は、混雑していて写真を撮っただけでした」。LRTは念願の初乗車だ。ホームにゆっくり近づく黄色い車体を、食い入るように見つめた。高揚感と緊張感が伝わってきた。
車内では車窓から見える街の風景を楽しむだけでなく、細かな部分もチェックした。交通系ICカードのタッチしやすさやつかみやすいつり革の形状、デジタルサイネージなどに着目。さらに「床が低く、通路は広々。振動も少ない。ベビーカーでも使用しやすそう」と感心した様子。2児の母としての目線で、乗り心地に太鼓判を押した。
午前10時15分。平石停留場から、いざ車両基地へ。カメラを携えた鈴川さんは、取材モードだ。見学用車両に近づくと、おもむろに車体下をのぞきこんだ。アリの行列を凝視する子どものように、台車やレールを数分にわたりじっくりと観察。案内役の宇都宮ライトレール経営企画課の宮崎拓係長(33)は「本当に鉄道が好きなんだと分かります」と舌を巻いた。
鈴川さんは運転席に座り、制帽姿でりりしくポーズ。内装へのこだわり、他県で走るLRTとの違いなどの説明を受け、真剣な表情でうなずいていた。約40分間の見学を終え、充実感を漂わせた。
鈴川さんは下野新聞社にも足を運んだ。「宇都宮のLRTは景色とマッチしていて、見た目も格好良い。成功すれば他の自治体のモデルケースになる」と熱を込めた。「鉄道の音が好きで、中学生のころからファンになった。今では全国ほぼ全ての交通系ICカードを集め、いろいろな楽しみ方をしている」と目を輝かせた。
記念講演は午前10時開始。漫才コンビ中川家の礼二さん(51)とトークで共演する。講演会チケットに関する問い合わせは、FANY0570・550・100。